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40年の約束。天国の書道の先生から授かった筆で、未来へ繋ぐ「恩送り」

私には人生の道しるべとなる
「3人の心の師匠」がいます。

今回は、今は亡き私の書道の先生への、40年越しの感謝をつづっていきます。

小学生の私はとある書道教室に通っていました。
子供の頃の私は、ぜんぜん真面目な生徒ではありませんでした。

それでも先生は決して私を見捨てることなく、いつも優しく熱心に指導してくださいました。

毎年恒例のクリスマスパーティーでは、奥様とともに私たち生徒を温かく、楽しくもてなしてくださったことが今でも鮮明に思い出されます。

私の実家を新築した際には、先生直筆の見事な掛け軸をプレゼントしてくださるなど、その深い愛情には感謝の言葉しかありません。

先生は最期の日、そのお体を医療の発展のために「献体」されました。
どこまでも優しく、どこまでも人のために生きるその高潔なお姿は、今も私の人生の大きな光となっています。

そんな先生がご存命の時、私は一本の筆をいただきました。
あれから40年。私はその大切な筆を、今でもずっと宝物として使い続けています。

先生の丁寧なご指導のおかげで、私の書いた文字はとある橋の橋名板に刻まれ、今もその場所を飾らせていただいています。

しかし、私の胸には「この筆で、いつか先生に恩返しがしたい」という想いが、ずっと残り続けていました。

そしてこの夏、ようやくその想いが「恩送り」という形で叶ったのです。

この夏、私が関わらせていただいている藍住まちゼミにて
地域の小学生たちを対象にした、夏休みの宿題をお手伝いするイベントが企画されることになりました。

自由研究、作曲、レシピ作り、工作、ワークショップ、絵画、習字などのサポートをするのですが、私は迷わず、先生からいただいたあの40年ものの筆を手に取りたいと思いました。

不真面目だった私を温かく包んでくれた先生のように、私も目の前の子供たちに寄り添いたい。

集まってくれた子どもたちはみんな、ものすごく集中して筆を握ってくれました。

その姿が本当にかわいらしく、愛しくて。
一人ひとりの個性が光る豊かな書が仕上がっていく様子に胸が熱くなりました。

また、保護者の皆さんもとても熱心にお子さんを見守られていて、その温かい眼差しに深い感動を覚えました。

何より、このイベントを一緒に企画し、盛り上げてくださったまちゼミメンバーの存在には感謝しかありません。
みんなで助け合い、支え合って一つの空間を作り上げられたこと。こんなにも素敵で温かい仲間に囲まれて活動できている自分は、本当に幸せ者だと心の底から実感しています。

亡くなった先生に、直接何かをお返しする「恩返し」はもう叶いません。
だけど、先生からいただいた温かい心と技術を、別の誰かへと繋ぐ「恩送り」なら、いつでも、何度でもできるのだと気づかされました。

「恩」は、受け取った相手に返すだけでなく、未来へと回していくもの。
先生の筆を通して、先生の優しさが、最高の仲間たち、そして次の世代の子供たちへと確かに引き継がれました。これこそが、本当の意味での恩返しなのかもしれません。

イベントが終わり、筆を洗いながら、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じました。
天国の先生に、少しだけ胸を張って報告できたような、そんな感謝と幸せに満ちた夏の日になりました。

みなさんにとって、人生の「心の師匠」は誰ですか?そして、その方から受け取った温かいバトンを、あなたは誰に届けていきたいですか?

ぜひ、あなたの「恩送り」のストーリーも聞かせてくださいね。

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